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オーストラリアにいた時、一切肉を食べないドイツ人と暮らしていたことがある。
ある日、彼が食事をしている皿の上を見るとグリルで大胆に焼かれたエビが乗っかっていたので、質問してみた。 「肉は食わないけど、魚介類は食うのか?」 彼の答えは、僕が想像もしなかったものだったが、とても腑に落ちるものでもあった。 「牛にしても鳥にしても自分で殺して捌けないものは口にしないんだ。エビや魚は自分で捕まえて捌くことができるから食べるよ。」 何と言うか実に動物的というか、そこら辺の自然主義者なんかよりもずっと自然の摂理に従った生き方をしているような感じでハッとした。 僕は瀬戸丸の上で富士山を眺めながら、そんなことを思い出していた。 最近は魚がスーパーに並んでいるような切り身で泳いでいると思っている子もいると真しやかに囁かれているが、それを買ってきて食べているだけという意味においては僕も大した差がないような気がする。 いざ海で釣ってきた魚をまな板に並べて捌こうと思ったら、少し手が震えた。 顔があり、目があり、内臓のある魚に包丁を入れると、ゴリッという骨の感触と共に真っ赤な血が溢れ出てくる。 『魚を食うとは、命を頂くとはこういうことなんだ。』と、自分に言い聞かせながら足をグッと踏ん張った。 皮を剥ぎ取り、3枚におろすと、魚はようやく見慣れた切り身になった。 肝を取り出し酒で洗い、醤油と和えて、それをタレに身を食らう。 釣ってきたばかりのカワハギは、身がプリッとしていて甘みがあり文句なしに美味かった。 と同時に、命に対して美味しいとか不味いという言い方をしてもいいものかという思いも浮かんだ。 ガンジーの言葉が頭を過る。 “人は生きるために食べるもので、味覚を楽しむために食べてはいけない” 釣り上げた時の手の中で暴れ回っていた命の感触や、先程までの顔や皮がついていた魚の姿が蘇る。 一瞬、胃の中に落ちた刺身が胃液と共に喉元まで上がってきそうになった。 今の世の中は面倒なことやキレイではないものがどこかで削られてしまっているので目には届きにくいが、きっと本来、食事をするとはきっとこういうことなのだ。 相変わらず知識と実感の間には大きな差がある。
by abe-kohey
| 2012-01-09 18:04
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